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2008年11月10日 (月)

健保1点救済について

合格発表後、リンクさせていただいている方などのブログを巡って、記事を読ませていただきました。

「選択式健保1点救済」や「択一式基準点48点」という合格基準点について、多くの意見が出されていました。それぞれの方が、それぞれの立場から発言されたことであり、どの意見にも“重み”を感じました。

私自身、今回の合格基準点、特に健保1点救済に関しては、いろいろと思うところがありますので、ここで、今回の試験に区切りをつける意味も込めて、私なりの考えを述べておきたいと思います。

健保1点救済に関して、「妥当」というものから「ありえない」というものまで、様々な意見がありました。

まず、私は、今のような形式の選択式試験が続く限り、問題の難易度によっては、1点救済もあって然るべきだと思っています。

選択式1点救済で、よく引き合いに出されるのが、平成16年度の健保です。

高額療養費の計算問題で、1つ間違えると芋づる式に間違えてしまうという問題の性質上、やむなく1点救済が行われたというようなことが言われているのですが、私は、この考え方には疑問を持っています。

Aの空欄を間違えると、B→C→D→Eと、まさに芋づる式に間違えていく問題なら別ですが(そんな問題は絶対につくってはいけません)、高額療養費の算定基準額の数字を覚えていれば、少なくとも2つは埋められたはずです。

数字ですよ。社労士の試験で一番論点となる割合の高い数字の出題ですよ。

私は、平成16年の選択式健保で1点救済が行われたのは、これまでの出題傾向とはまったく異なる形での出題となり、結果として、多くの受験生にとって難問となってしまったからだと思っています。

(それから、4つの候補の中から1つの答えを選ぶ確率論もありますが、それについては、過去に触れていますので、ここでは繰り返しません。)

ですから、今年の健保は、平成16年の健保同様、難問だったということなんです。いや、平成16年よりたちの悪い“超悪問”であったと思います。

ただでさえわかり辛い、健保組合の細かい規定なのに加えて、5つの答えのうち3つが、問題文中で空欄にならずそのまま残されているという、“ひどい”“お粗末”な問題でした。

個人的には、過去の選択式問題の中でも、一、二を争う悪問だったと思っています。

このような奇問、難問、悪問であれば、1点救済というのも、当然、可能性の1つとして考慮すべきです。

もちろん、実際に1点救済を行うかどうかは、他の科目の難易度との兼ね合いがあります。平成18年の労災や社一も、1点救済があるかもしれないと言われていて、結局なかったのですが、この年は、選択式試験史上最悪の5科目救済が行われたという、特異な年でした。

今回の健保で1点救済が行われたことは、受験生にとって良かったことだと思っています。
(私自身、この救済によって救われました。涙をのんだ多くの受験生仲間の前で、気が引ける言葉ではあるのですが、あえて書かせていただきました)

ただし、健保に1点救済が行われたことで、結果として択一式を48点にせざるを得なくなったのであれば、これは、そのような歪な試験問題を作った側に責任があります。

『去年の合格率が高すぎたから、今年はその分、例年より下げることにしよう。選択式健保は確かに悪問だったから1点救済かけるけど、その代わり、択一式は平均点も高かったことだし、例年より基準点を上げることでふるいにかけよう。』

などというような姑息な思惑で、合格基準点が決められているのだとしたら、あまりにも不合理です。選択式をクリアしたのに、択一式46点や47点で不合格となった方々は悲痛な思いでいっぱいでしょう。選択式1点足らずといった状況とは訳が違います。


連合会及び試験委員へどうしても言っておきたいです。

受験生は、その年の合格に向けて、1年間必死に勉強して難関に臨んでいます。そんな受験生を、数合わせの組合せゲームを行ったかのような、なんの一貫性もない、その場しのぎの基準点設定で、撥ね返すようなことはしないでください。

受験生は、真っ向から勝負を挑んでいるのです。それを姑息な手段でかわすようなことはせず、真っ向から受け止めて、その上で、撥ね返すのなら一貫した態度と理念を持った上で、撥ね返してください。

試験問題も、努力した受験生が報われるような良問をつくってください。もう40回も試験をやっているのでしょう?どんな問題が良問で、どんな問題が悪問か、わからないような頭の悪い方はいないはずです。

やればできることをやらないのは、怠慢以外の何ものでもありません。


来年以降の試験が、多くの受験生に解きがいのある問題となり、多くの受験生が納得する基準点設定となることを切に願います。

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コメント

こんにちは。
過日は温かいコメントありがとうございました(゚ー゚)

改めまして。
合格おめでとうございます!!

健保1点救済は賛否両論ですね。
私のまわりに限っていえば、択一でダントツに点数をとっている方が多かったので、あの1点で救われてよかったなあと思うところもあります。
(でも逆に私は足元をすくわれてしまいましたが…)
私は1点救済でも何でもいんですけど(今更どうにもならないようなので)、合格率か合格者どちらかを一定の基準に保ってくれないかなと思っています。
発表後に自分の中で1年の思いがちゃんと消化できるような基準を作って欲しいです。

投稿: panko-maru | 2008年11月11日 (火) 08時59分

ありがとうございますhappy01

すべての受験生が納得する制度にするのは無理でも、できるだけ多くの受験生が納得できる制度にしてほしいと思います。

今回のpanko-maruさんはいろいろな不運が重なってしまいましたが、そんな不運は連続するものではありません。

来年は、しっかりした成績で合格されるでしょうから、今から合格のコメントを入れることができるのを楽しみにしていますね(笑)。

もう1年だけ、頑張ってください。応援していますsign01

投稿: ヒデ>panko-maruさん | 2008年11月11日 (火) 10時20分

こんにちはヒデさん。
私も労一は、健保1点救済があるかないかで変わってくるな・・とは思っていましたが、3点とらなかった自分が悪いので、それはあきらめます。やはりどんな問題がきても
足きりなしの7割(28点、49点)はとるべきなんでしょうね。
でも、コメントにもありましたように、例えば7割取れなければ全員不合格、とか、毎年9%前後の合格率とか、4000人合格とか、というようにある程度一定に保ってもらいたいと思います。
ここ最近で2回も1点救済が必要
な問題を作ることも疑問ですよね。
それに労一も、TACが悪いのか、どこの予備校もそうなのかわかりませんが、最低賃金法の「建議」にしても、%の問題も(←これがあってたのに最後の最後で直してしまって
落ちました・・あれが運命の分かれ道の行動だった)対象企業の規模もテキストに何も載ってないし、7月の改正だし、そんな問題作るなよ~!!と言いたいです。
今度で3年目です。必ず合格という保障がないし、正直1年がんばれるか不安です。
ヒデさんが3年がんばれた秘訣があったら教えてください。
それと、3年がんばるだけの価値が社労士にあるかさえ最近は疑問に思うので、ヒデさんが社労士を目指した理由とか、社労士に対して前向きになれることがあったら、ぜひブログに書いてください!!お願いします。
長くなってしまってすみません。
ヒデさんの合格は心から喜んでます!

投稿: wan | 2008年11月11日 (火) 15時10分

ヒデさん、こんばんは。
私のブログにリンクされている方は、選択式32点択一式47点(共に基準点クリア)で不合格でした。
何ともやりきれなかったのですが、その方は、社労士試験は落とすための試験だから「少しの失敗も許されない」と言われ、しっかり前を向かれています。
私も思わず背筋が伸びました。
本当に厳しい試験だと思いますが、頑張っていくしかないです。
これを乗り越えるから、大きな価値があるのだと思います。
来年は、救済しなければならないような珍問奇問が出ないことを祈るばかりです。
合格された方には、誇りを持っていただきたいです。
ヒデさん、おめでとう☆

投稿: ひとみん | 2008年11月11日 (火) 18時36分

コメントありがとうございますhappy01
確かに、なにかしら一定の基準がなければ、毎年受験生は結果を見て混乱するだけですよね。
試験改革を行うならば、記述式だの、試験科目を増やすだの、そんなことよりも、合格基準の明確化を真っ先に行って欲しいです。
労一の選択式問題も然り、問題としてどうかと思うものが多すぎです。

これから、このブログでも、私なりの思いを書いていきたいと思います。参考になるかどうかはわかりませんが、ここで知り合えた皆さんには、全員合格してほしいと思っていますので、wanさんも、もう1年ぜひ奮起して頑張ってほしいと思っています。

投稿: ヒデ>wanさん | 2008年11月11日 (火) 19時31分

激励の言葉をありがとうございますsign03
基準点をクリアするだけの努力をした結果の合格だったということに誇りを持って、次のステップに進んでいきたいと思いますsign03

投稿: ヒデ>ひとみんさん | 2008年11月11日 (火) 19時42分

ヒデさんの意見に同感です。
現在の社労士試験が基準点(選択3点以上,択一4点以上)を設けている以上、難問・奇問・悪問となった場合、救済という措置は仕方がないと思います。
私が思うに、1点救済だろうが、2点救済だろうが、救済は救済であり、連合会も結果的に難問・奇問・悪問となったことを認めているからこそ(それによって科目平均点が低い)、救済という措置をとるのだということです。
ただ、今回の合格基準で不可解なのは、択一の総得点を48点と高いレベル(合格基準が公表されるようになって1番高い得点)にしたこと、また合格率を7.5%に下げたことです。
選択で大盤振る舞い(健保1点救済、国年・厚年2点救済)しておきながら、択一で非情なことをするやり方は、何とも合点がいきません。
救済措置をすること自体いあってはならないことなのに、国家試験としての信頼や威厳など全くないですね。

H16年度の選択健保についてですが、私もヒデさんの見解と同じで、出題当時はA〜Eの全空欄が数字という予期せぬ事態に驚かされただけで、高額療養費の計算は押さえておくべき事項だと思います。
そう考えると、今年の選択健保は特異な問題だったと言えます。

連合会は救済をするなら、選択・択一の総得点や合格率・合格者数にも配慮すべきです。

投稿: SAKA | 2008年11月11日 (火) 19時56分

ヒデさんこんばんは。合格しても社会保険労務士試験について分析するところが凄いです。択一にしてもぶっちぎりの点数ですし。(^_^)v
ところで、TAC上級クラスの先生は、わかりやすいのでしょうか。答練受けるか考えていますので教えてください。

投稿: 半蔵 | 2008年11月11日 (火) 20時38分

コメントありがとうございますhappy01
前回いただいたコメントから、SAKAさんは多分私と同じような考えを持っておられるのではないかと思っていました。
なぜ毎年の合格者数なり合格率なりを一定の水準にしないでしょうかね?
まったく解せませんが、そんな試験でも合格しなければ先へ進めませんから…。
SAKAさんにも仕事などで予定通りにいかない部分はあるでしょうが、来年の合格へ向けて頑張ってくださいねsign01

投稿: ヒデ>SAKAさん | 2008年11月11日 (火) 20時49分

コメントありがとうございますhappy01
TACの上級ですが、私はweb通信で、女性の高橋先生だったのですが、講義の内容について特に不満はもちませんでした。
わかりやすい話をしてくれる先生でしたよ。

投稿: ヒデ>半蔵さん | 2008年11月11日 (火) 20時54分

今年、やっと合格できました。
今日、連合会に入会登録してきました。当分の間、開業せずに更なるbrush upに努めたいと思います。
合格は、社労士の仕事の始まるであるとともにまた、あらたな勉強の始まりでもあります。

投稿: sumaup | 2008年11月14日 (金) 21時34分

コメントありがとうございますhappy01
そして、合格おめでとうございますgood
入会登録されたんですね。そして新たな勉強の始まり、まさにそうですよね。
これからもお互い頑張りましょうsign01

投稿: ヒデ>sumaupさん | 2008年11月14日 (金) 22時07分

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